Imaging Science in Okazaki

というのに参加。かなり学際的なシンポで、イメージングをキーワードにプラズマ、天文、金属表面、生体高分子、量子状態、fMRI など多様。あまりにも遠いものはものはお話として聞く。例えば「補償光学」(国立天文台の家先生)など。すばるに実装されている機構の話。大気のゆらぎの影響を受け、望遠鏡に届く光は平面波としての性質を一部失っている。これを光学的に補正しようという機器系。下の図のように、平面波が歪んでいるとする。観測点A, B において、光強度(密度)を測定すると、波がゆらいでいる中央部分で A においては光の収束 (Converge) が、 B においては拡散 (Diverge) が観測される。

これらの観測値の商をとり (A での光強度 / B での光強度) 平面内で積分すると、もとの波形が得られる。このゆらぎを打ち消すように変形制御可能な曲面鏡をリアルタイムで制御し、大気ゆらぎによる散乱の影響を 70% に抑えた*1ハッブル宇宙望遠鏡よりクリアな像が得られるらしい。
ただ、この補正を行うためには参照となる光源(星)が必要で、この条件を満たす空域は全天の2%にすぎない。この問題を解決するために、上空90kmのところにあるNa層を利用している。Naの励起エネルギーの周波数をもつレーザーを90km上空まで届かせることのできる高出力発振機をつくることにも成功している。一億円のレーザーポインターとして利用可能で、あれがひこぼし、とか空に向かってポイントできるらしい。

*1:通常0.1%程度の光しか利用できないらしい