蛍光タンパク質と顕微鏡

理研の宮脇先生の話。蛍光発色の on/off 制御が可能な Dronpa を利用して共焦点レーザー顕微鏡の diffraction 限界を超えるためのシステム開発。STED microscopy に変わるアイディアがあるという。STED がなんだかはあとでリサーチ。シナプス小胞のライブ観察を目指している。
あとは FCCS Fluorescein Cross-Correlation Spectroscopy という概念。FRET を用いたタンパク質同士の相互作用の検出は、融合タンパク質のサイズによっては FRET が起きず、 false negative rate が高くなるという問題点がある。これを解消するために、タンパク質溶液を spectroscopy にかけ、例えば YFP と CFP のシグナルのピークが重なればそれぞれの蛍光タンパク質の融合相手同士が結合しているだろうと判断する技術。しかし、このシステムを開発するにあたって励起レーザーをふたつ同時に用いることに技術的な問題があるらしく*1、単一のレーザーでふたつの蛍光タンパク質を励起でき、かつそれぞれの蛍光タンパク質の蛍光が分離可能であることが必要になっていた。
しかし、既存の蛍光タンパク質の stolk shift は分離して検出するには大きさが足りなかったので、ある 600nm の蛍光を発するタンパク質に変異を入れて、 400nm (CFP と同じ) で励起できるものを作製した。ほんとにすごい。488 があるとうれしいんだけど...。

*1:Detection 側はmutiple dichroic mirror でいいけど