Function of the ETS transcription factor Yan in border cell migration

JC が迫ってきたのこともあり、良さそうな論文のスクリーニング第一弾。
細胞移動および、癌浸潤のモデルシステムである Drosophila ovary の border cell (BC) でのシグナリングカスケードの話。 ETS type の転写因子である Yan の制御メカニズムと Yan による接着分子 cadherin の制御の話。
JAK/STAT と Notch 系の下流で Yan は発現誘導され、PVR/EGFR の下流の MAPK の活性化によって Yan が不安定化する、ということを IHC で見ている。生化学のデータは皆無。
一番攻めてほしかったところ、つまり、cadherin の制御に関しては、Yan の活性依存的に cadherin の局在がかわることがちゃんと詰め切れてないのがとっても不満。やられてしまっても困る気がしないでもないけど。BC は移動能をもたない polar cell を取り囲んでおり、BC は ovary の follicle cell の中を移動していく。このとき、yan 変異体では cadherin が BC と follicle の間で量的に増大し、BC 移動異常が生じる。
Cadherin 量の定量化はいっさいなされていない。しかし、定性的に議論する上では問題ない。しかし、気になったのは、cadherin の mRNA 量の変化を yan 変異体で見ており、野生型との差がみられないことで、翻訳後の違いを検出しようとしている。ここでの実験は、endocytosis による cadherin 分子の細胞内取り込みを SL2 cell line でやっている。
活性型 yan の過剰発現では蛍光色素の取り込みが上昇していることがわかり、Rab5 の dominant negative を発現させて endocytosis を block するということを BC で行って、状況証拠を累積している。ちょっと微妙な実験。
あとはシグナルばっかりなので略。とりあえず、
Morphogen Gradient Formation and Vesicular Trafficking
Characterization of E-cadherin Endocytosis in Isolated MCF-7 and Chinese Hamster Ovary Cells
あたりをチェックしてみれば、ある程度のディスカッションにはなりそうかな。Endocytosis と絡められれたデータが出れば本当に面白い。