Fractuating Nanog

Austin Smithセミナーにて。ES 細胞の全能性と自己複製能は、分化の抑制がベースにある。Oct, Sox, Nanog が全能性維持のマーカーと考えれている分子で、Oct/Sox は恒常的に on だが Nanog の発現は揺らいでいる。
Nanog locusGFP を knock-in した ES 細胞を用いると、 Oct/Sox positive でも Nanog nagative (GFP negative) な細胞が存在する。この Nanog GFP knock-in ES を全能性維持の表面抗原での FACS を行い、全能性を持つ細胞集団から GFP positive/negative の集団を分離して、 clonal culture を行う。すると、GFP positive/negative どちらの single clone から培養しても GFP positive/negative の両方が現れてくる。
この ES cell のタイムラプスイメージングを行うと、細胞周期よりも長い周期で GFP の on/off が観察される。また、細胞分裂直後に GFP が on/off することが多いそうだ。
Nanog knock-out ES cell line は LIF+BMP4 の FCS free 条件での培養によって、 wild type ES と比較して分化状態になる傾向が強い。ただ、 Nanog KO ES cell は morula stage wild type embryo にインジェクションすることによって、 somatic cell への全能性は維持しているが確認されていた。
Nanog が off になることで、より全能性の高い状態から可逆的な全能性の低い状態へと遷移を起こしているのではないか、と Austin は述べていた。
Nanog の振動の意味はなんだろうか。