Integrin mRNA の輸送

RNA-dependent integrin alpha(3) protein localization regulated by the Muscleblind-like protein MLP1.
これも NCB より S さんの JC から。なんだかよくわかったようなわからないような話。
ガン細胞での発現レベルの differencial screen をやっていて、MLP1 という遺伝子が取れた Tien Hsu ラボの仕事。前にもこのラボの論文読んだことあるな。変わった遺伝子を釣るのが得意なのかも。MLP1 は Integrin a3 mRNA を focal adhesion へ微小管を介して運んでいるらしいというのが論文の主旨。Integrin mRNA の 3' UTR に存在する ACACCC モチーフが輸送のために必要であるらしい。GFP にこのモチーフを含む 3' UTR をつけるとタンパク質の局在が制御できることを示唆する図が掲載されていた。MLP はもともと Drosophila で見つかった mRNA binding motif を持つタンパク質 Muscle blind に似ていることから Muscle Blind Like Protein として命名された。Zn finger 型の RNA binding motif をもっている。
MLP の発現量依存的に細胞の移動活性が上昇することは示されているんだが、それと ACACCC モチーフや mRNA の局在化との直接的な関係を示すデータはない。さらに、Integrin は膜貫通型のタンパク質であり、小胞体とゴルジ体を経て、小胞輸送されることで細胞膜上に提示される。にも関わらず、 focal adhesion への細胞質内を通じた mRNA の移動がある。
何に必要とされるメカニズムの一端を見ているのかよくわからない。ターゲティングのメカニズムは何か。不思議な現象が捉えられている。