信仰と科学の対立の原点

ガリレイの生涯 (岩波文庫)
ブレヒトによる戯曲を読む。岩波文庫は堅くてあまり気晴らしにならないから読んでなかったが、なんとなく買ってしまう。しかし現代でも通じる内容がたくさん出てくること。これが古典ってことなのかなぁ。サイエンスをやる喜びってとても根源的なものだという話をいえねこさんとしたのを思い出した。
真理を追い求めることは、人間の生活を豊かにすることと結びつかなければならないという側面についての強調。科学の興りはこの姿勢があった。正しい星図による航海技術の安定化。望遠鏡による観測。
ここでも新しい観測技術によってこれまでわからなかったことが証明されるようになるということが強調されている。
アリストテレス的世界観、プトレマイオス新約聖書の世界観によって支配されてしまうと、「科学的真実と思われるもの」を受け入れることが恐怖になるというのがうまく表現されている。もちろん哲学的な自分の存在への安心感という意味合いだけでなく、支配層による支配のための権威付けの基盤が浸食されることへの脅威というものももちろん存在するが。
ガリレイとその弟子や共同研究者達のその興奮が伝わってきた。

僕たちの知識はまだ全然足りないんだ。僕たちはまだほんの門口にいるんだからね。