天使と悪魔

天使と悪魔(上)
多少本文の内容に言及しているためこれから読むことを計画されている方は読まない方がいいかも。
テーマは科学と信仰(キリスト教)の共存可能性について。物理学を突き詰めていくと「光あれ」になってしまったりしてなにかがおかしい。WWW を開発した CERN から物語は始まっていく。CERN ではサービス精神あふれることにこの「天使と悪魔」の特集ページを開設している。
原子レベルで同調させたカメラでマグロの群れを高速度撮影に成功すると何か物理法則に反する何かが発見されたりするらしい。途中まではとてもテンポよく読める。あくまでフィクションとして。マイケルクライトンに通じる何かがある。
科学に対しておこなわれたキリスト教会による迫害。それを象徴するのがガリレオ裁判。このことが契機となり科学者の秘密結社が作られたらしい。そのうちの一部がテロに走って、カトリックの総本山であるバチカンCERN から盗み出した反物質で破壊することを企むという話。
思想的な話をしていたはずなのに、いつのまにかアクションになって下巻を買おうかどうしようか悩み中。
ダンテ・クラブ
読み物としてはダンテクラブの方がよかったなぁ。
南北戦争直後のアメリカでダンテの地獄編を模倣した殺人事件が起きる。当時まだダンテは英語訳されておらず、まさにその翻訳作業が進行中だった。この翻訳グループは実在し、その名がダンテクラブである。このグループの文学者達が犯人像に迫るという物語。近代文学ラテン語の相克みたいのもテーマになってて意外な思いがした。こっちは面白かった。