接着分子の切り替えによるパターン形成

  • Preferential adhesion mediated by Hibris and Roughest regulates morphogenesis and patterning in the Drosophila eye. Dev. Cell 8, 925- (2005)

Journal club より S さんの紹介。Drosophila eye disc において、ommatidia は photoreceptor と、レンズ産生細胞として機能する cone cell と、primary pigment cell からなり、 ommatidia のまわりには ommatidia の支持あるいは光路の分離に使われると思われる interommatidical precursor cells (IPC) が取り巻いている。
この論文では IPC の規則的な六角形を基本とした平面内の繰り返し配置(グラファイトの単層のイメージ)を生みだす過程に関与する接着分子である immunogloblin superfamily に属する Hibris および Roughest に注目してこのパターン形成のメカニズムにせまっている。
Hibris は cone cell および primary pigment cell に発現しており、 Roughest は IPC で強く発現している。どちらの変異体も同様に六角形の基本とした構造の形成に異常がみられる
どうやら、Roughest による IPC 同士の接着が緩んだ後に、 Hibris と Roughest による heterophilic な接着がこの六角形構造を生んでいるようだ、という印象。この接着相手の切り替えがどうして可能なのかがよくわからない。どうもこの論文は消化しきれていない感じ。