SNAREpinの特異性を保障するメカニズム - SM proteins

わざわざブログに書く理由

最近 exocytosis に興味があるので、局所的細胞膜融合を活性化するメカニズムに関する知見の評価をして、全世界に公開してみたくなったから。

背景

膜融合には SNARE (soluble N-ethylmaleimide-sensitive factor attachment protein receptor) と呼ばれる vesicle と結合する v-SNARE と target membrane と結合する t-SNARE があり、v と t が結合して SNAREpin を形成する。そしてこの SNAREpin が膜融合を促進する。しかしながら、どの SNARE 同士が特異的に結合し、膜融合を促すのか、そのメカニズムはわかっていなかった。

結論

Sec1/Munc18 は制御された exocytosis に関与する限られた SNAREpin (cognate SNARE pair) を活性化する。

評価

再構成系を用いて、どの SNAREpin に対して Sec1/Munc18 が機能するのかを詳細に検討している。

ショウジョウバエには Sec1/Munc18 の orthologue と考えられる Rop と呼ばれる分子が存在するが、この分子は神経特異的に働いていることがわかっている。ただ、Slh (CG3539), CG8228 のふたつの分子が Sec1/Munc18 と分子構造が似ているため、他の組織における exocytosis の制御に関与している可能性が考えられる。

紹介論文

Selective activation of cognate SNAREpins by Sec1/Munc18 proteins.
Shen J, Tareste DC, Paumet F, Rothman JE, Melia TJ. (Columbia Univ.)
Cell 128, 183-195 (2007)