遺伝子から行動へ

Glyoxalase 1 and glutathione reductase 1 regulate anxiety in mice.
少し前の Nature 誌から。純系統のマウスを用いて、不安や神経症に関与する遺伝子を探している。まず、行動に関するテストをいくつか。明るい箱と暗い箱を用意して、どちらにいる時間が長いかというのを赤外線センサでモニタリング。また、解放された空間で壁際にいる時間と中央にいる時間のモニタ。これらから A/J, DBA/2J 系統では不安を覚えやすく、 C57BL/6J, FVB/NJ では好奇心が高く、 129S6/SvEvTac, C3H/HeJ は中間的であるというデータが得られた。
さらに不安などに関与すると考えられている脳のいくつかの組織を用いて microarray 解析を行い、いくつかの発現変動を示している遺伝子を17つ得た。行動とアレイデータ、qPCR の結果の一致が高かった、 glyoxlase 1 と glutathione reductase 1 に関して siRNA knock down と rentiviral over expression を行って、行動への変化を見ている。データをもう少し吟味して妥当性を判断してみよう。