上皮性の維持あるいは形成とエンドサイトーシス

Endocytic control of epithelial polarity and proliferation in Drosophila.
NCB の AOP ですが今日の DKNZ 氏の JC より。
Drosophila follicle cell における mosaic genetic screen によって上皮性の維持に影響が出る変異体をスクリーン。Human Syntaxin7, 12 のホモログを取った。表現型は上皮性の喪失による単層上皮の多層可。
この遺伝子を avalanche (avl) と名付け、syntaxin の小胞輸送への関与を考えて、小胞マーカーとの局在を見ると Early endosome マーカーである Rab5 と一番良く局在する。
次に、細胞膜にアンカーされる分子の取り込みをみると、Notch および apical マーカーの Crb が膜表面に過剰になっていることがわかる。また、抗体による膜表面タンパク質の pulse-chase によって、取り込み過程のダイナミクスを見て、avl 変異体クローンで表面にたまっていることを Notch について確認。
また、既知の early endosome の制御関連分子 Rab5, Hrs と avl の表現型の違いを Notch やお互いの局在を変異体のバックグラウンドで見ている。表現型が似ていることは示唆されるが、関連は double mutant を見ないとわからない。やられていないのはなぜだろう。
また、disc で en-Gal4 を使って crb o/e と avl-RNAi の interaction を見ていた。話としては、上皮性の維持にエンドサイトーシスの関連分子が関わっており、これまで比較的静的であると考えられてきていた、上皮の接着構造と極性構造が実は動的に制御されている可能性が示唆されるというインパクトのある話ではあるのだが、もう少し直接的な証拠が欲しい。
例えば、embryonic RNAi による maternal contribution を排除した time lapse imaging を junction 構造を GFP でモニタできる実験系で行って、avl が上皮構造の形成に関わるのか、あるいは維持なのかの区別を行うとか、FRAP で crb の turn over rate を調べて、エンドサイトーシスと同程度の order なのかを観察するとか。もちろん生化学的に結合を抑える必要もある。