IKKalpha function in epidermal differenciation

UCSDDr. Michael Karinセミナー。AP1 のクローニング等で知られており、シグナル伝達の大家らしいがまったく知らず、「有名人ですか?」と聞いたらボスに「常識や」と叱られる。
セミナーの内容は IKK alpha に関するもの。 IKK は NF kappa B pathway の因子であり、p50/RelA などの核内移行を活性化する。NF kappa B はもともと Drosophila の D/V 軸決定に関わる pathway として同定されてきており、mammalian homologous pathway は免疫応答やアポトーシス阻害の経路として知られている。
IKK alpha と IKK beta は N 末に kinase domain を持ち、protein-protein interaction 用の leucine zipper domain と HLH domain を持つ。Alpha と beta の redundancy を調べるために、それぞれの KO mouse を作製したところ、IKK alpha では、NF kappa B pathway の既知の因子を KO したときに見られる、apoptosis の促進のような phenotype は生じずに、皮膚が突っ張ったような表現型を示した。抗体染色切片観察によって、上皮分化の指標となる色素細胞の存在が確認されず、また、whole embryo をそのまま dye で染める観察で、wild type は epidermis がバリアーとしてはたらくため染色液は組織に浸透しないが、IKK alpha KO では dye が組織に浸透することがわかった。また、もっと明瞭な表現型として limb が消失する。
この上皮の分化に関わる IKK alpha KO mouse 表現型は、繰り返しになるが NF kappa B の他の component をつぶしても見られることはなく、IKK alpha の kinase dead form の transgene を皮膚の上皮細胞特異的な K14 promter で drive してやることで回復することから、 IKK alpha のまったく未知の機能と言える。
上流下流の解析がはじまっていて、関連するものがとれているようだが、上皮細胞の分化に必要な pathway の因子はまだ未知。