Fragile X and gene silencing - Siomi of Univ. Tokushima

RNAi の分野で有名な方の講演。Fragile X 症候群という遺伝的精神遅延の原因遺伝子である、FMR (Fragile X Mental Retardation gene) が RNAi の machinary のひとつである Ago2 と RNA helicase と複合体を作っている可能性を生化学的な実験から見いだしている(TAP-tagged FMR を精製して、分子量分離/銀染色/質量分析)。
FMR は RNA 結合タンパク質であり、KH domain と RGG box という RNA 結合ドメインをもつ細胞質タンパク質であり、体の多くの組織で発現しており、主に神経系で強いシグナルが得られる。KO マウスおよび null mutant fly では Fragile X 症候群の患者の病理切片と同様に神経細胞の樹上突起の異常な spine が見られる。
Mutant fly はさらにパブロフ学習ができず、精神遅延の表現型も呈している。
また、 FMR は翻訳装置と結合して mRNA 翻訳を阻害している可能性があると考えられており、Siomi 先生たちは FMR が結合する miRNA をクローニング中という話。
RNA のどのような配列に FMR が結合するかは consensus 配列が判明しておらず、 RNA の高次構造に依存する可能性も想定されている。ゲノムの一次配列を利用した FMR の下流遺伝子探しは難しいかもしれない。