Centriole の de novo 合成

Centriole の複製は、mother centriole を鋳型として、daughter centriole が複製されることによりなされると考えられてきてた。しかし、centriole を持たない細胞において、SAK という kinase を過剰発現することにより、centriole が de novo に合成されることを 1. は示している。1. において、筆者らの主張のキーになるのは、以下の二点になる。Drosophila の oocyte には centriole が存在しないこと、そして、そこで SAK を過剰発現すると centriole (抗a-tubulin抗体によって染色される astral microtubule 用の構造の核で PCM マーカーポジティブ) ができた実験結果の二点である。De novo にできた centriole の透過電子顕微鏡解析もおこなっているので、 SAK の過剰発現によりcentriole ができることは問題ない。
ただし、文献2によると oocyte には centriole が存在している。
また、1. では SAS-4, -6 の knock down を S2 細胞で行い、 SAK の過剰発現による centriole の過剰生成が SAS-4, -6 依存的であることを示している。 SAS の変異体は viable だったと思うので、 S2 を持ち出さなくても、 vivo で centriole の合成に関するシグナルの上流下流解析が可能なはずだが、その実験はない。
4. の文献の 1. におけるあつかいも気になる。アブストラクトを読む限りほぼ同一内容な気がするが Science と Current Biology に別々に出ている。
Cilia に仕事が絡みそうな身としてはもう少し調べてみないと。

  1. Revisiting the role of the mother centriole in centriole biogenesis.
  2. The centrosome-nucleus complex and microtubule organization in the Drosophila oocyte.
  3. Flies without centrioles.
  4. Overexpressing centriole-replication proteins in vivo induces centriole overduplication and de novo formation.