風邪かあるいは

どうも体調に変調を来している模様。睡眠を体が欲しているみたいだ。今日は黄檗まで出向。
Prediction of interfaces for oligomerizations of G-protein coupled receptors.
の first author の話を直に聞ける機会があり、もう一方の演者の方の話もあり、今日はとても有意義だった。
Post genome の新しい分野の始まりを予感させる斬新な切り口、オリジナリティのもとに遂行された研究であり、意識が高まるとともに危機感を感じざるを得なかった。では本題に。
GPCR : G protein coupled receptor とは、7 回膜貫通型の膜タンパク質の一群である。三量体型Gタンパク質と共役した膜受容体であり、リガンドが GPCR に結合することで G タンパク質が活性化され、シグナルが細胞内へと伝達される。GPCR のリガンドはペプチド、アミン、ヌクレオチドなど様々な小分子であり、同種あるいは異種の GPCR 同士がリガンド依存的に結合/解離する事で、 GPCR 単量体とは異なったシグナル伝達がなされることが報告されている。現行の薬剤の約3-7割の標的はこの GPCR であり、ヒトでは GPCR は 1000 程度の遺伝子が報告されているとのこと。この GPCR 間の結合モチーフを計算機的に予測してしまおうというのが、この研究。
立体構造が解かれている GPCR Class A *1 について、タンパク質の一次構造および、立体構造を用いて相互作用モチーフ、インターフェース予測を行った。この時のアイディアとして、バレル構造 *2 の外側のみの保存性に着目している。まず、「種内」でタンパク質の一次配列に基づいたクラスタリングを行い、立体構造から予測される外側のみに関して保存領域の洗い出しを行ったところ、各クラスタ内のサブクラスについて、ある特定の部位のみに保存された領域が浮かび上がってきた。
この予測結果は、すでに明らかになっていた GPCR のインタフェースすべて *3 を100 % 反映していた。
一次配列と構造のみを材料にしてどこまで「主張」できるのか、という試みとしてとても感銘を受けた。今の仕事を進めながら、ドクターコースの時間で切り口を探す上でのいい刺激だった。次の場所でもご活躍を。
発想を根底から変える必要がありそうだなぁ。

もう一方の方のお話 PUBMED INDEXES はちょっと長いので、今日は無理かな。

*1:Class は A から E まで存在し、 bovine ロドプシン

*2:でいいのかな???

*3:3モチーフ