Steven Pinker
人のこころについて神経生物学、人類学、進化学、認知神経科学などの知見にもとづいて著わした Harvard の Pinker の本。ざざっとメモ。
こころに関する古くからのアイディアが三つ
- 空白の石板 (先天的なものはなく、すべてが環境要因に依存する)
- 機械の中の幽霊 (精神の永続性と機械的な体との対比としてのこころの理解)
- 高貴な野蛮人 (西洋文明以前の未開な世界で人は無私無欲に穏やかにしていたという認識)
そしてこの旧来のアイディアに対する反証
- こころの計算理論 (精神の作用は物理的に説明可能であり、脳内の活動による情報のやりとりとして記述できる)
- 生得的な機構の必要性 (学習にはそれを可能にする基盤があらかじめ必要)
- 生成文法 (体系的に単語を組合わせることで文を生み出す枠組み) とその人種を超えた普遍性
- 多数のモジュールからなるシステムとしてのこころの発見 (こころにおけるコンテクストに応じたモジュール)
Genetics と脳の形態形成と機能。シナプスの発火による脳の構造の維持とか、構造の話もちらほらと。
どういう意味で、こういった心に関する研究が「ヒステリック」と表現してもかまわないと思われる批判を浴びているのか、ということを優生学の話などを引き合いに出しながら述べている。
いても別にいいんじゃないの? 状況が変わるわけじゃないんだし。ものの見方に過ぎないんだから、内分泌学的な解釈だとそうなるわけで、修辞の仕方はいくらでもあるはず。
中/下を続けて買うか
コストを考慮してこっちにするか...。