夏の夜

こういう夜になると、夏はいいなと感じる。少しだけ欠けた月が、徐々に上っていき、大きくて赤みがかかった光が、だんだん柔らかくなってくる。不快感を感じさせない程度の湿度を伴った風。浜辺でも防波堤でもなんでもいいから、波の音が聞こえるところでだれかと話がしたくなる。
最近、ふとしたおりに記憶が励起されて5年以上前のことが鮮明にイメージされる。そのときの光、音、雰囲気や感触とか。